インドネシアのお酒事情

最近、地味に広がりを見せている、インドネシアの密造酒で邦人が亡くなったと言うニュース。
何気にいまだに現地インドネシアの日本大使館からのメルマガ登録をしていて、先日26日に大使館からのメールで今回のニュースに接しました。

え?これ飲んで亡くなった人がいるの??と思うとドン引き・・・
ボトルからして怪しいし、色も変だし、、なのも、よくわかります。。。

写真は大使館発表より。

密造酒で邦人死亡・・・それだけ聞くと、なんてセンセーショナルなニュース!!
在インドネシア日本大使館の広報がこちら。

https://www.id.emb-japan.go.jp/oshirase20_127.html

あちゃーー、と思いましたが、Yahoo Japan記事にも転載されたり、話題に上ってきたことにさらにびっくり。。。
なので、今日は私が体験したインドネシアお酒事情について、ちょこっと書いてみたいと思います。。。🍺🍷🍶

「インドネシアって、お酒は禁止されているんでしょ?」 よく聞かれます。
うーーん、禁止されてる、訳ではないんですよね。レストランで飲める場所が全く無いわけでは無いし、インドネシア産のビールもあるくらい。

星のマークのビンタンビール(Bir Bintang)、バリのバリハイ(BaliーHai)など、最近は日本のちょこっとしたおしゃれスーパーなどでもよく見かけるようになりました。

私はお酒はあまり飲めませんが、実は7年前の滞在時、現地の大豆を使って自家製のお味噌を作りました。(麹は日本から担いで行ったんです)
そのときに消毒用の焼酎がわりを探していて、現地のアラックと呼ばれるヤシ酒を現地の屋台のようなお店で購入しました。
遠い記憶で、500ml入りペットボトルで確か700円くらいだったかな。。。
今も思うと正式なお酒として認められたスタンプもシールもないお酒だったので密造酒といえば密造酒だったわけで。。。

元々インドネシアはイスラム教の人が多いお国柄。最近はちょっとイスラム教の勢力?が強くなってきてるのか、7年ほど前はチラホラ見かけていたスーパーのビールが、チレゴン村スーパーではおおっぴらに売らなくなってきた感じはしていました。

「酔っぱらう」って言うことが教義に反するみたいですね。
そのことから「酔っぱらう」飲み物を嗜好品として飲むことは教義的にNG❌

でも、個人的に思うのは、イスラム教文化以外の日本や欧米の文化に興味津々な人たちが多いお国柄✨
自分たちは飲めないけれど、飲んでいる人たちを楽しそうに、興味津々に眺めている人たちが多いのを感じていました。
これだって、教義的にはNGだとは思いますが・・・。(もちろん、経験なイスラム教徒で飲酒を毛嫌いする人もたっくさんいます)

以前、旦那さんのお付きの運転手君もそんな一人。
とっても真面目な青年、と言った雰囲気でしたが、ある日家のまえのゴミ捨て場から

「これ、カッコいいのでもらってはダメですか??」

と聞いてきたのは、なんとワインや焼酎のボトル。 もちろん、中身は空。。。それを家でお水を入れて使いたかったと。。。🍾

これまた何年も前、旦那さんの会社の運転手さん数人が空き時間に酒盛り大会をして、クビになる、、なんて言う驚きの事件もありました。。。
もちろん職務中の飲酒などありえないことだし、運転手の仕事をしていて飲んでもバレない?と思っていたのが不可思議ですが、そんなことが起こってしまうくらい、現地の人にとっても興味のあることなんだろうなーと感じさせられるトホホな事件でした。
もちろん、これに関わった運転手さんは全員、即解雇になりましたけどね😭

一本300円近くするインドネシア産ビールも、100円そこそこのランチが普通の多くの庶民の人にとっては高価なもの。
私たち外国人にとってもジャカルタで公に認められたお店で購入するワインなどは一本7,000円以上するなんてこともザラ。。。
現地に駐在員の多くの皆さんも必死でお気に入りの日本のお酒をお土産に持って帰ろうとしますが、空港で没収されてしまったなどと言う話もよく聞きます。(免税枠はあるはずなのですが、運用はかなりまちまち。運よく?チェックなしで持ち込めてしまう事もあるようです)

そんな中で、あいも変わらず秘密裏に製造される密造酒・・・。
近所のワルンと呼ばれる食堂や屋台で、ジュース感覚で簡単に酔いが楽しめる?お酒が簡単に手に入ってしまったら。。。
宗教で認められていなくても、ちょっと飲酒体験をしてみたいと思ったら、それは日本で焼き鳥屋さんにふらっと入る感覚と同じなんじゃないかなーと想像。

密造酒にしても、それがいわゆる粗悪品だっり、有害な原料を含んでしまうことが大きな問題だと思うのですが、なかなか防ぐのが困難。。。

「工業用アルコールは飲めないんだよ、、」と言うことを周知するのも、元々お酒が禁忌の人たちになかなか響かないだろうし。

「ヤバイ」ものを嗅ぎ分けられる能力を持っていれば良いけれど、私が購入したアラックが有毒なアルコールが添加されたものでなかったのは、奇跡だったのかもしれません。


今回の死亡事件については、どうやら個人情報?などもあって詳細は報じられていないようです。
今回、被害がでたお酒がどう言ったお店で販売されていたのか、被害に遭われた方の詳細などは情報が出てきておらず、大使館発表の内容以外には憶測の域を出ていない雰囲気。


事情はどうあれ、異国の地で命を落とさなければならなかった方も、ご家族がおそらくいらしたでしょうし、心痛む事件であることは間違い無いです。けれど、現地の庶民の楽しみを味わいたいだけの冒険心でそんな出来事に繋がったのだとしたら・・・。

色々と、謎多き、そして何事もゆるーいインドネシア、亡くなられた方もきっと嫌いじゃなかったと祈りたい。

怪しいものには手を出すべきじゃない、っていうのが正論ですが、密造酒もコロナも、まだまだリスクだらけのこの国ですが、私もまだ嫌いにはなれません。

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